2021年、名古屋市千種区の居酒屋で9人が重軽傷を負った火事で、業務上失火などの罪に問われた男の裁判で、名古屋地裁は禁錮1年2か月の判決を言い渡しました。

炎に包まれる中、2階から飛び降りてなんとか逃げようとする飲食店の客。防犯カメラの映像です。

判決を受けたのは、愛知県春日井市の清掃作業員・五味有亮(ごみ・ゆうすけ)被告33歳です。

起訴状などによりますと、五味被告は2021年4月、自分が経営していた名古屋市千種区の居酒屋「加子母家(かしもや)」で、調理中のフライパンを火にかけたまま放置してその場を離れたことで火事を起こし、建物を全焼させたうえ、当時店内にいた客ら9人に重軽傷を負わせた「業務上失火」と「業務上過失傷害」の罪に問われています。


この火事では、複数の客が2階から飛び降りていて、当時48歳の男性が頭を打って一時、意識不明の重体になっていました。

10日の裁判で、名古屋地裁の平城文啓(ひらき・ふみあき)裁判官は「火を消してからその場を離れるという最も基本的な事を怠ったのは大きな過失」としたうえで、「いきなりの悲劇に見舞われた客の衝撃は大きい」と指摘し、五味被告に対し、禁錮1年2か月の実刑判決を言い渡しました。

https://article.auone.jp/detail/1/2/2/340_2_r_20230410_1681101122638719