農家 十分な作付けできず 苦しい経営状況続く

ウクライナでは、春小麦などの農作物が種まきの季節を迎えていますが、ロシア軍の侵攻で被害を受けた農家は、十分な作付けを行うことができず、苦しい経営状況が続いています。

このうち軍事侵攻当初にロシア軍に一時占拠された首都キーウ近郊のブチャの周辺で農場を経営するペトロ・ホロデンコさん(65)は、倉庫をロシア軍に破壊された上、保管していた農機具も略奪されたり壊されたりするなどして、およそ125万ドル、日本円にして1億6000万円余りの被害を被ったということです。

さらに、種麦や肥料の価格が高騰している上、銀行から新たな資金調達もできなかったため、ことし用意できた小麦の種麦は、例年の半分以下の量だということです。

このため、この春に作付けできる面積は、全体でおよそ500ヘクタールある畑のうち、およそ120ヘクタールと、4分の1以下にとどまる見込みで、広い範囲が今も耕されないままになっています。

ホロデンコさんは「ロシア軍は、私の農場経営を破壊しました。新しい農機具を買うのは難しいため、古い機械を修理して使おうとしていますが、再び自分の足で立ち上がるには資金面や技術面での助けが必要で、日本など支援が可能なすべての国に助けてほしいです」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230419/k10014042611000.html