発達障害の子ども不登校に 担任の教員から「反省文書かされた」

状況が変わったのが3年生の時です。
文字を読むのが苦手なことを、クラスの友だちが「ばか」とか「そんなこともできないの」などとからかい始めたのです。

授業がどんどんストレスになっていったというコウタ君。
ある日、友だちの体がぶつかりました。
その友だちはわざとではなかったようですが、コウタ君は思わずランドセルを投げつけてしまいました。

そのほか、友だちから生活面での注意を受けるといったちょっとしたことでカッとなってしまい、
いすを倒したり、急に教室を飛び出したりという行動を起こすようになったといいます。

クラスの担任の教員から求められたのが、親と一緒に行動を振り返って改善策を考えることでした。
母親は、発達障害を踏まえた熱心な指導と受け止め、コウタ君に聞き取り、行動の理由や今後の約束などをノートに記すことにしました。

「みんなの前で(注意を)言われたのが嫌だった」、
「次に同じ状況になったらガマンすると約束しました」などの文言が並びます。

しかし、コウタ君の行動は収まりませんでした。担任は、そのつどさらなる改善策を書くよう求めたと言います。
コウタ君は、しだいに母親からの聞き取りを嫌がり、学校に行くと担任に叱られると思い込むようになりました。

コウタ君の母親
「担任から、『約束したけれどできなかったね。反省して改善案を出したのに、それができないんだね』とかね。
『その改善案じゃ、ダメじゃないんですか』みたいなだめ出しがあって、週に2回3回とそれが続いていくと、ちょっとだんだん苦しくなってきてしまって。
書くのがつらいとか、先生から電話がかかってくるのが怖い、そんな気持ちになっていました」

先生との対応に思い悩んだ母親は、発達障害と診断した医師を訪ねました。
すると、医師からは「本人の気持ちの表現や怒りのコントロールを練習させることは大事だが、
根本的な解決にはならず、本人が怒りやストレスを感じないような環境にすることを考える必要がある」と指摘されました。

そして、母親は担任に対応を変えてもらうようお願いしましたが、それが変わることはありませんでした。
その後、コウタ君は不登校になったといいます。
今年度から別の学校に転校し、特別支援学級で学んでいます。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20230420a.html
先生との約束ノート
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