米ニューヨーク州ヘブロンで15日夜、訪問先を間違えて、別の家の敷地に車で入った女性が、
住人の男性に銃で撃たれて死亡した。当局は17日、住人を第2級殺人罪で訴追したと発表した。

死亡したのは、ケイリン・ギリスさん(20)。車にはギリスさんのほか、3人が乗っていた。運転していたのは友人だった。

警察によると、4人が乗った車は誤って、ケヴィン・モナハン被告(65)の自宅の私道へ入った。
運転手が車を出そうとしたところ、モナハン被告が車にむけて発砲し、ギリスさんが銃弾を受けたとされる。

ニューヨーク州ワシントン郡保安官事務所のジェフリー・マーフィー保安官は記者会見で、
「友人の家を探していた若い成人たちが、この男性の家にたどり着き、
男性は銃器を手に外に出てきて発砲したという、非常に悲しい事件だ」と述べた。

現場は田舎町で、夜間は住宅前の私道は明かりが少ない。マーフィー保安官によると、
モナハン被告が発砲する前に、4人は誰も車から降りたり、被告の家に入ろうとしたりしなかったという。

弁護側の主張
モナハン被告側のカート・マウザート弁護士は、米CNNに対し、被告は自分が撃った銃弾が
誰かに当たったとは知らず、警察がなぜ自分の敷地に来たのか全く分からなかったと述べた。

車両が敷地内に入ってきたことで、「高齢の妻を持つ高齢の紳士に、
ある程度の警戒心を抱かせたことは間違いない」と、同弁護士は米ニューヨーク・タイムズに語った。
そして、被告は「この悲劇を心から後悔している」と付け加えた。

同弁護士はさらに、「悲劇が起き、犠牲者が出ると、誰もが悪役を求めるものだ」とし、
「しかし時には、悲劇と犠牲者だけで、悪役が存在しないこともある。
そして今回は、そういう状況の一つだ」と述べた。
https://www.bbc.com/japanese/65320097