はっきり言っておく - 遼東の豕
https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20110814/1313272439

(前略

「はっきり言っておく」が繰り返し出てくる。マタイによる福音書の24章から26章のわずか7ページに9回も出てくる。イエスという人ははっきりした人なんだなぁと思った。

英語では「Verily I say unto you」となっている。大本は知らないが、聖書の古い訳に用いられた常套句らしい。「確かに汝らに告ぐ」という意味か。

1955年改訳の『聖書』(日本聖書協会)では、「あなたがたに言っておく」となっている。こっちのほうが、最近の訳の「はっきり言っておく」よりも自然なような気がする。

そもそもイエスの12人の弟子の中心メンバーは、ガリラヤ湖の漁師なのである。元々、教養などというものとは程遠い下層民である。深い意味を内蔵し、ときには韜晦趣味さえ感じられるイエスの難解な預言が理解できるわけがない。だから、ここぞという時には「Verily I say unto you」と前置きをする癖がついてしまったのだろう。

12人の弟子のリーダーであるペトロもイエスに出会う前はただの漁師だった。そう考えれば、昨日、触れた最高法院でのイエスの裁判の折に、「わたしはそんな人は知らない」と言って逃げてしまったことも大いに頷ける。

(後略