ウコンで染めた「寒の糸」和楽器の澄んだ音色生み出す 滋賀・長浜の工房
立春を過ぎても寒さが続く中、滋賀県長浜市木之本町で和楽器に使う糸の製造が進んでいる。
伝統的な生糸の生産地として知られる同町の工房では、黄色く染められてのりが付いた糸が幾重にも張られ、職人が丁寧に拭き取っている。
同町の「丸三ハシモト」では三味線や琴、びわなどの楽器糸を地元の生糸などで約400種類以上を作る。糸の製造は年中行うが、12~3月中旬に作られたものは「寒の糸」と言われ、固く締まり、澄んだ音がするとして演奏家に好まれるという。
作業場では、ウコンで染めてのりで煮た糸を、15メートル離れた2本の柱の間に張る。数日間干した後、手触りがよくなるように節を削り、強度が増すよう餅で作ったのりを塗るなどして仕上げる。
新型コロナウイルス禍で減った需要も戻りつつあるといい、4代目の橋本英宗さん(48)は「技術などの伝統を守りながら、演奏家の要望に応えて糸を作っていきたい」と話した。
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鮮やかな黄色に染められ、工房内に張られた「寒の糸」(長浜市木之本町・丸三ハシモト)
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