映画祭の役割は賞だけじゃない。押井守監督がほぼノンストップで語るアニメ文化の継承と業界の問題点

今年から、『新潟国際アニメーション映画祭』が開催される。本映画祭の特徴は、これまで、公の場ではあまり批評の対象とされてこなかった
エンターテイメント作品も取り上げている点だ。「商業」「アート」の垣根なく作品を評価し、アニメ文化を守り継いでいくために開催される本映画祭。
第1回目の審査員長を務めるのが、1970年代からアニメ業界で作品をつくり続けている押井守氏だ。今回は、幸運なことに押井氏にインタビューする
機会を得て、アニメ業界への課題感や映画祭の意義についてうかがった。

撮影込み30分という限られた取材時間のなか、押井監督はひとつの質問に対してほぼノンストップで語り続け、60分インタビュー並の分量に。
その発言内容にはアニメ業界に対する厳しい意見も多分に含まれているが、そうした言葉の根底にあるのは、スタッフが心血を注ぎ込んで作品を
つくっていることに対するたしかなリスペクトと、その仕事が報われてほしいと考える一人の年長者としての愛なのだ。強くそう感じずにいられない数十分だった。

「アート」と「商業」。二極化する理由とその根本的な違い

https://www.cinra.net/article/202303-oshiimamoru_ysdkrcl