三菱スペースジェット、米国試験機は解体済み 小牧は「検討中」

三菱重工業(7011)は4月26日、開発を中止したジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の飛行試験機について、米国で試験を行っていた4機の解体を完了したことを明らかにした。愛知県小牧で保管している機体については、「まだ決まっておらず、検討中」としている。

 スペースジェットの試験機のうち、飛行した機体は2015年11月11日に初飛行した飛行試験初号機(JA21MJ、製造番号10001)、2号機(JA22MJ、10002)、3号機(JA23MJ、10003)、4号機(JA24MJ、10004)、設計変更を反映した通算10号機(JA26MJ、10010)の計5機。このほかに一度も飛行せず、地上試験に使用していた5号機(JA25MJ)などが製造された。

 初号機から4号機は、米国の飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」で飛行試験を重ね、その他の機体は最終組立工場があった小牧で試験を進めていた。

 飛行した5機のうち、最初に解体されたのは3号機で、2022年に解体。MFCも同年3月末で閉鎖した。その後初号機も解体され、三菱重工によると、2号機と4号機も解体済みだが、完了時期についてはコメントを控えた。

 機体の登録記号は自動車のナンバーにあたるもので、国土交通省航空局(JCAB)が管理。3号機は2022年3月14日付で「航空の用に供さないため」として三菱航空機(当時)が国交省に「抹消登録」を届け出て、同月17日に抹消された。飛行した残る初号機と2号機、4号機、10号機は、4機とも今年2月27日付で届け出がなされ、3月6日に抹消登録された。

 三菱重工は今年2月7日にスペースジェットの開発中止を正式発表。ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、4月24日に開発を担った三菱航空機との契約解除を発表した。翌25日には三菱航空機の社名を「MSJ資産管理株式会社」へ変更し、ウェブサイトを同日付で閉鎖している。2月7日時点の総受注は267機で、このうち確定受注は153機、オプションと購入権は114機だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7171919ea3efe2bb039d0e34881c7bcba7b70679