![](http://img.5ch.net/ico/s04.gif)
福岡市中心部の新築分譲マンションで、販売価格が1億円を超える「億ション」が次々と誕生している。首都圏に比べて割安感があるため投資家のニーズが増えて地価が上がり、大手デベロッパーなどによる土地の獲得競争が過熱していることなどが背景にある。
福岡市・天神の中心交差点から北に約500メートルのビジネス街で、新築マンションの建設工事が進んでいた。来年3月の入居開始を予定している23階建ての「レーベン福岡天神 ONE TOWER 」。
22と23階の「エグゼクティブタイプ」(3LDK、約140平方メートル)は価格が2億円を超えるが、昨年の販売開始後、すぐに売り切れた。
ワンタワーは、不動産業のタカラレーベンが開発した。「知名度が低い九州でマンション事業を軌道に乗せるための試金石」で、人気の間取りでは抽選倍率が10倍を超え、全153戸が今年1月末に完売した。
大和ハウス工業が中央区の大濠公園近くで開発した10階建ての「プレミスト大濠二丁目」は全35戸で価格が1億円超だが、半数は販売開始から数か月で売れ、現在残っているのは数戸のみ。同社は建物の竣工前に完売を見込んでいる。
セカンドハウスとして持つ富裕層が目立ち、購入者からは「息子夫婦や孫にすぐに会える福岡市内に欲しかった」などの声があったという。同じ大濠地区で大京が販売する「ザ・ライオンズ大濠公園」も、最高価格は2億円を超える。
福岡市で30年以上にわたってマンション事業を手がける積水ハウスが同市中央区で昨年8月に販売を始めた「グランドメゾン大手門ザ・レジデンス」も、最高価格が3億円に迫る水準だ。だが、すでに全69戸の9割超が売れたとしている。
大型再開発が相次ぎ、人口も増える福岡市では近年、地価の上昇や建設資材の高騰に伴ってマンション価格が上がり続けている。「海外ファンドによる投資目的の購入が増えている」(不動産関係者)ことが一因との見方もある。
市場調査を手がける住宅流通新報社(福岡市)によると、2022年のマンション平均価格は4924万円で、13年の1・5倍となった。1坪(3・3平方メートル)当たりの価格も22年は市平均で229万円と、13年から約100万円上がった。
同社は「隣県などに生活基盤を持つ富裕層がセカンドハウスとして保有する動きも、需要を底上げしている」とみる。一方で、女性向け単身用マンションのニーズが伸びていることもあり、1戸当たりの平均面積は縮小傾向という。
価格の伸び率が特に大きいのは中央区だ。市の再開発促進策「天神ビッグバン」が進む天神地区や、閑静な住宅街の大濠地区を抱えており、22年のマンションの平均価格は6633万円と、13年の約1・7倍に伸びた。
大和ハウス工業が同区の大濠公園近くで開発した10階建ての「プレミスト大濠二丁目」は全35戸で価格が1億円超だが、半数は販売開始から数か月で売れた。セカンドハウスとして持つ富裕層が目立ち、購入者からは「息子夫婦や孫にすぐに会える福岡市内に欲しかった」などの声があったという。同じ大濠地区で大京が販売する「ザ・ライオンズ大濠公園」も、最高価格は2億円を超える。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/feature/CO050392/20230413-OYTAT50034/