熊本大、半導体関連の新学部の入試に女子枠 「人材のバランス図る」

 熊本大学は、2024年度に新設する学部相当の「情報融合学環」の入学試験に女性受験生に限定した「女子枠」を設ける。

 情報融合学環は、世界的半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県内進出で半導体に携わる人材の育成が課題となるなか、地域での人材育成を目指す。定員60人のうち、学校推薦型選抜15人中8人を女性限定とする。

 熊大の22年度の入学者に占める女子学生の割合は理学部で約29%、工学部においては約19%にとどまる。担当者は「現状、大きな偏りがあるなか、多様なものの見方を知るためにも必要と考えた」と説明する。

 また卒業後の進路である半導体関連企業を含む製造業の男女比が男性7割、女性3割であることも踏まえ「人材を世に送り出す大学でもバランスを図っていくことが重要な責務と考えた」という。

 女子枠はアファーマティブアクション(差別是正措置)のひとつ。文部科学省も23年度入学の大学入試から、理工系分野での女子枠など、進学機会の確保に困難があると認められる受験生らを対象とした入試方法をもうけるよう各大学などに通知している。(大貫聡子)

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