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原因はサルモネラ菌 なぜ人気ラーメン店で食中毒が発生してしまったのか?

5/11(木) 20:15

「TKM」が人気のラーメン店で食中毒が発生
 埼玉県は8日、熊谷市のラーメン店で食事をした男性7人が下痢や発熱などの症状を訴え、うち4人からサルモネラ属菌が検出されたと発表した。県は食中毒と断定し食品衛生法に基づき、このラーメン店に対して同日より3日間の営業停止の行政処分を行った(参考記事:埼玉新聞 2023年5月9日)。
 今回処分を受けたラーメン店は、つけ麺の人気店などで経験を積んだ店主が独立して2018年に開業。つけ麺の他にオリジナルのまぜそばである「TKM(たまごかけめん)」で人気を集め行列店の仲間入りを果たした。このメニューに影響を受けて同様のまぜそばを出す店も少なくない。
 基本的に生ものを提供しない業態であるラーメン店は、食中毒が起こりにくいと言われてきた。しかしながら、ラーメン店での食中毒事案は決して少なくない。直近でも4月には宮城県仙台市のラーメン店で喫食した客のうち12人が腹痛や下痢を訴え、3月には埼玉県川越市のラーメン店でも8人が下痢や発熱を訴え、いずれの事案も食中毒と断定され、3日間の営業停止の行政処分を受けている。

■ラーメン店で起こり得る食中毒とは

 ラーメン店で起こり得る食中毒の原因としてはいくつかある。空気を嫌う性質を持つ「ウェルシュ菌」は、ラーメン店の調理工程においてはスープやチャーシューなど煮込む料理で一定の環境下において増殖しやすい。前述した仙台のラーメン店の原因菌もウェルシュ菌だった。
 また「カンピロバクター」は鶏や牛などの家禽や家畜をはじめ、ペットから野生動物まで多くの動物が保菌している細菌で、ラーメン店での食中毒事案としては加熱が不十分な鶏チャーシューによるところが大きい。昨今の「低温調理レアチャーシュー」ブームにより、正しい知識を持たずに調理している店が多いのことがラーメン業界の課題になっている。
 そして今回の「サルモネラ菌属」による食中毒は、卵や鶏肉、乳製品、さらにはウナギやスッポンなどが原因とされることが多く、ラーメン店の場合は生卵や茹で卵、鶏肉などが多く使われており、中でも鶏卵は適切な保管と温度管理、迅速な調理がなされていなければ食中毒の起こる可能性が高くなる。なお、今回の原因食材は「鶏の低温チャーシュー」と特定されたと、当該ラーメン店がSNSで公表している。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ymjrky/20230511-00349111