ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は20日、広島市での先進7か国首脳会議(G7サミット)に出席するために来日した。21日にサミットのウクライナに関する討議に参加するほか、岸田首相らG7首脳との個別会談を予定している。広島市内での演説も調整している。
ゼレンスキー氏は20日午後3時半頃、フランス政府の航空機で広島空港(広島県三原市)に到着し、木原誠二官房副長官らの出迎えを受けた。木原氏らと短い会話を交わした後、車で空港から約50キロ・メートル離れた広島市内に向かった。
来日後にゼレンスキー氏はSNSでG7サミット出席について、「ウクライナのパートナーや友人たちとの重要な会議だ。我々の勝利のための安全保障と協力の強化。平和が近づく」と投稿した。
その後、広島市内のホテルでイタリアのメローニ首相、インドのモディ首相、英国のスナク首相と相次いで会談した。インドは「グローバル・サウス」と呼ばれる発展途上国や新興国の代表国で、ロシアへの圧力強化に向けた協力を呼びかけた。
ロシア軍のウクライナへの攻撃が再び激化している中、ゼレンスキー氏は各国首脳との一連の会談で対露制裁の強化を求め、ウクライナへの支援継続を訴える見通しだ。
ゼレンスキー氏は、平和記念公園も訪れる予定。広島市内での演説では、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を示唆するようなどう喝をたびたび行っていることを踏まえ、ロシアへの圧力を強化するよう訴えるとみられる。
日本政府は来日に先立つ20日午前、ゼレンスキー氏がサミットに出席すると発表した。当初予定されていたオンライン形式から対面参加に変更された理由について、「ゼレンスキー氏から対面参加の強い希望が表明され、日程を慎重に検討した」と説明した。
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