『ファイナルファンタジーXVI』序盤の3時間をプレイ!「自由度のゲームではない」

『ファイナルファンタジーXVI』の序盤の約3時間をプレイした私のメモには
「自由度のゲームではない」と書かれていた。『ゼルダの伝説』や『ELDEN RING』
といった自由度の高いオープンワールドゲームが評価される昨今において、
不安を煽るメモなのかもしれない。

しかし、リニアなゲームデザインに適したゲームも存在する。『ファイナルファンタジーXVI』
をプレイして、本作が何よりも主人公クライヴ・ロズフィールドになりきるための、
ストーリードリブンなゲームであることを確信した。

『ファイナルファンタジーXVI』の主人公はあなたではない。あなたがクライヴになるのだ。
本作のゲームデザインに、そのように語りかけられたような気がした。

序盤において、プレイヤーはほとんど寄り道の余地もないままとにかくストーリーに
沿ってゲームを進めていく。インタラクションできるオブジェクトはUIで表示されたものに
限定されており、会話のできるNPCも頭上に吹き出しがあるキャラクターだけだ。

その結果、クライヴは剣で無意味にタルを壊したり、延々と知らない人と会話を
したりすることはなかった。めちゃくちゃなことをするプレイヤーではなく、
目的へ向かうごく普通の人間に思えた。だが、そのような体験は果たして
ゲームとして楽しいのだろうか?

その答えを出すにはプレイ時間が足りなかったが、少なくともストーリーに没頭
できたことは間違いない。ここまで自由のない、ストーリーにフォーカスした作品なら、
ゲームではなく映画でよかったのではないか、と思うかもしれない。

しかし、クライヴの身になって、彼の過去を歩き回る体験には、ゲームならではの
良さがしっかりとあった。

『ファイナルファンタジーXVI』は、2023年6月22日発売
https://jp.ign.com/final-fantasy-xvi/67870/news/xvi