登校はするものの、在籍する教室に入ることができない「別室登校」の中学生が札幌市内にどれくらいいるか専門家が調べたところ、調査対象の約3%に上ることがわかった。勉強についていけないことや、人間関係の悩みなどが背景にあるという。
調査は、池田考司・北海道教育大講師と間宮正幸・北海道大名誉教授が共同で行った。10年前は1、2席だった教室の空席が、最近は5、6席ほどに増えている――。中学を訪問した際に目にしたそんな光景が調査のきっかけだという。
その結果、別室登校の生徒は計278人いて、全体に占める割合は3・1%だった。不登校の生徒は計581人で同6・4%。両者を合わせると、教室の中で1割近い生徒が自席にいない状況であることがわかった。
別室登校・不登校の要因のひとつは、学習の遅れとされる。「授業中に当てられて恥をかきたくない」との思いから数学や英語などの授業には出ないが、学活や行事には参加する生徒も多いという。
また、新たな友人関係をつくれず対人関係への不安・トラブルを抱えたり、受験に象徴される親からの学習圧力、ゲーム依存などが背景にあったりするという。
別室の状況も調べた。学習環境や生徒の対人不安を考慮し、パーティションなどで個別に仕切っている学校がある一方、コミュニケーション力をつけてほしいとの考えから、生徒同士が談話できる空間を設けている所もあった。
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