夏が来ると、中部地方の一部では大人が山中を駆け巡る。狙うはクロスズメバチの巣。こちらが目印を付けた餌を持ち帰る働きバチを追うのだ。昨今、昆虫食が世界的に脚光を浴びているが、はるか以前の江戸時代から続く食文化であり、巣ごと採取して飼育するレジャーでもある。

私が住む岐阜県東濃地方や愛知県北部ではこのハチを「ヘボ」と言う。一般にはクロスズメバチのことだが、長野県伊那地方では「スガレ」「ジバチ」とも呼...
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0926N0Z00C22A8000000/