昨年12月、1万件以上の配車依頼に対応不能…タクシーがいない、運転手がいない コロナ下の3年で相次ぎ離職 高齢ドライバーも、若手も

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月から「5類」に引き下げられ、人の動きが活発になる中、鹿児島県内ではタクシーの不足が目立つ。県タクシー協会によると、運転手はこの3年で720人減って2500人になった。事業者は運転手確保に躍起だが採用は急には増えず苦心している。

 鹿児島市天文館の電車通り沿いのタクシー乗り場。数年前までは客待ちのタクシーが列をつくっていたが、最近は週末の夜中になるとタクシーを待つ客が列がをつくる。空車ランプが点灯していても「予約済み」で、手を挙げても止まらない。雨天時や週末の夕方に配車を断られた人も多い。

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 「コロナにおびえながら乗務するより、年金でほそぼそと生活していくことにした」。2020年夏にタクシー乗務を辞めた鹿児島市の男性(78)は離職理由を語る。もともと客や同僚との会話が楽しみで稼ぎは二の次だった。未練は残るが、狭い車内で不特定多数の客を相手にする仕事は家族の理解を得られなかった。「孫に感染させたくない」と言われて約30年の乗車歴に終止符を打った。

 県タクシー協会の山口俊則専務理事は「年金の足しにと働く高齢運転手は多かった。コロナを恐れ辞めてしまった」と話す。以前から高い平均年齢はコロナ前の63.4歳から64.6歳となった。高齢運転手の離職が相次いだにもかかわらず微増したのは「新規採用が少なく、若手も辞めているからだろう」と推測する。

 鹿児島市で営業する乗車歴30年の男性(73)は「30代の後輩が数人辞めた」と証言する。給料が歩合制の運転手にとって飲食、観光業の休業や時短営業は死活問題。手取り数万円という月もあり、都市圏や他業種に移ったと聞く。「子どもが小中学生だとお金がかかるから」と理解を示す。

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 九州運輸局鹿児島運輸...

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