3日午後8時40分すぎのことだった。ガーシー氏が友人の日本人男性2人と連れ立ってドバイ某所にある自宅レジデンスから食事のため外出しようとした時だ。

レジデンスの立体駐車場に止めていたガーシー氏所有のピックアップトラックに3人がそれぞれ乗り込むと、突然、10数人ほどの男たちが取り囲んだ。
皆がTシャツと短パン姿とラフな格好。その風貌から見ると、アラブ人のようだ。その多くが常人の2倍以上の腕の太さを持つ、いかにも屈強そうな男たちだった。
運転席側、助手席、後部座席に前に立ちはだかり、何やら大声で叫んでいる。
車のドアが強引に開けられ、それぞれが腕を引っ張られるなどして引きずり出された。

「ラフな格好だったので、一瞬強盗かと思った」

その時、ガーシー氏とともに一時拘束された友人の一人は振り返る。

しかし、男たちの一人は間もなく首にかけていた自らの身分証を示してきた。
しっかり見る余裕もなく所属名などは識別できなかったが、短パンの脇には手錠もぶら下がっている。これはどうやら強盗ではないと気づいた。
ドバイ警察か、あるいはそれに類した当局の捜査官たちだろうと推測できた。

後部座席から外に出た友人が助手席側を見ると、少し抵抗しようとしたガーシー氏が力づくで引きずり出されていた。
トラック近くには米国製の大型SUVである黒色のGMCユーコン2台が乗り付けられ、連行されたガーシー氏はその1台に押し込められた。
ガーシー氏に対してだけは他の友人2人に対するよりも多い3、4人ほどの男たちが囲み、より重要なターゲットと認識されている様子が伝わってきた。

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