〈うんこ色のSDGs〉「安全な水とトイレを世界中に」という目標が如何にご都合主義的な主張か。
野糞術を追求する糞土師の活動からわかること
https://shueisha.online/culture/134667?page=1
たしかに、衛生環境を整えることは、「すべての人に健康と福祉を」という
3番目の目標を達成する上でも重要です。
まともなトイレの普及を待ち望んでいる人たちはたくさんいるはずですから、
その要望に応えるのは急務でしょう。
しかしその一方で、「トイレなんかいらないよ」と言いたい人たちもいるかもしれません。
近代文明の常識が、世界中に通用するとはかぎらないでしょう。
そもそもトイレや下水処理施設などが必要になったのは、人間が増えたからです。
大昔の、人が少なかった時代は、トイレなど不要でした。
そのへんの空き地で用を足していればすぐに土に還ったでしょうし、
畑の肥やしとして活用することもできたわけです。
いまもそうやって暮らしている人たちに近代的な最新型のトイレをプレゼントしても、
どうしてそんなものが必要なのか、意味がわからないかもしれません。
しかも、そういう暮らし方はまさに「サステナブル」です。
人間が食べて排泄したものが土に還って植物を育み、再び人間の食糧を生み出してくれる。
自然な環境を守るというなら、これに勝る好循環はありません。