せっかくだから、パリやフランス各地で味わったフランス料理の話を「美味しんぼ」で書こうと思って、
何度か試してみたが、フランスでの体験はどうしても書くことが出来ずに今日まで来た。
あれだけいい思いをしたのだから、それを「美味しんぼ」に書けば面白い物が出来ると思ったのだが、どうしても筆が進まなかった。

それは、パリの三ツ星レストランと、日本の「美味しんぼ」の読者との間につながりが何もないことに気がついたからだ。

それまでに、多くの作家、評論家、随筆家が、フランスのレストランの話を書いていたし、
フランスのレストランのガイドブックも多数出版されていた。そう言う物は、それでよいだろう。
そう言う物を求める読者も少なくない。

しかし、「美味しんぼ」となると話は別だ。
「美味しんぼ」の場合、読者の生活にかかわる物でなければ、書く意味がないし、第一読者が受け入れてくれない。

「美味しんぼ」の読者の大多数にとって、パリの三ツ星レストランの話など、何一つ実感がわいて来ず、感情移入が出来ないだろう。
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