まず、ウクライナが最近、激戦の末に領土をわずかに奪還していることに気を取られるべきではない。ウクライナが東部ドネツク州と南東部ザポリッジャ州で、半ば放棄されていた集落を取り戻しているのは確かだ。

数カ月にわたって膠着(こうちゃく)状態が続いた後、戦闘の汚れを身につけたウクライナ兵が、弾痕だらけの建物の前で青と黄色の自国旗を勝ち誇ったように掲げる姿は、ウクライナ国民の士気を高めるのにうってつけだ。
だが、戦況を大局的に見れば、これは本筋のことではない。
反攻で最も重要なのはロシア支配地域の南部、ザポリッジャ市とアゾフ海の間にある地域だ。
ここは「陸上回廊」と呼ばれ、ロシアと、同国が不法に併合したクリミア半島を結ぶ役割を果たしている。下の地図でわずかに紫色の地帯は、昨年の侵攻初期から状況がほとんど変わっていない。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-65887116