小湊鐵道は市原市の五井駅と大多喜町の上総中野駅の39.1キロを結ぶ、鉄道ファンや観光客らの人気が高い私鉄ローカル線です。

四季折々の美しい風景の中をトコトコ走る昔ながらの列車の姿は、どこか懐かしく、郷愁を誘われずにはいられません。

鉄道ファンや観光客らからの人気も高く、市原市では自動車の「市原ナンバー」の図柄として菜の花畑の中を走る小湊鐵道の観光列車の絵を採用するなど、地域を代表する観光資源でもあります。


小湊鐵道や市原市によりますと、今月20日、小湊鐵道の石川晋平社長が市原市を訪れ、小出譲治市長に対して、支援についての要請書を手渡したということです。

それによりますと、近年、台風や豪雨による被害、それにコロナ禍などで鉄道事業は赤字となっていて、線路やトンネルなどの設備、それに車両の維持や補修にかかる安全運行のための費用に今後10年間でおよそ60億円が必要だとしています。

要請文では「今後の沿線人口減の傾向等もふまえると、鉄道事業部門の経営状況が今後も厳しいことが予想され、特に乗降人口が少ない上総牛久駅以南については、こうした安全投資を考えると、 廃線も含めた検討が必要と考えています」とし、一部区間の廃線の検討について言及しているのです。

要請文ではその上で、「同区間の地域観光面での意義もふまえ、安全投資にかかわる継続的な支援の検討をお願い申し上げます」と結んでいます。

https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/012/62/