榎本:音響制作会社に対して、声優1人あたりどれぐらいのギャラを払っているんでしょうか?

松山:ランクによりますが、だいたいアニメ収録の4~5倍というケースが多いみたいです。

松山:声優さんからすると1時半~2時間で収録が終わって、事務所から報酬が入金されて明細みると「わぁ、ゲームってアニメのアフレコに比べて美味しい」って思うでしょうね(笑)。

榎本:ゲームの収録現場ではアニメのアフレコであるような「スケジュールキープ」はありますか?

松山:基本的にゲームは「抜き録り」で一人ずつなので、ありません。もしも我々の都合で日程が変更になる場合には全スタッフにその日の分の費用もちゃんと乗っけてお支払いしてます。ただ、それが現場の声優さんのところまで届いてるか我々には分かりようがないんですよ。

榎本:全然、届いてないですね(苦笑)。

松山:昔は、本当に酷かったですよ。ここ10~20年でお行儀はよくなってきましたけどね。私、声優さんとも仲いいからご飯を食べに行ったり飲みに行ったりもするわけですよ。声優さんから「これだけ良い条件でお仕事をもらえて助かります」って言ってもらえるんですけど具体的な額を聞いてみると「ん?いやいや、その◯倍は払ってるんだけど…!?」って。答え合わせは無粋なのかもしれないけど、おかしいですよね。自分に支払われる額を鵜呑みにせず、物の値段を知ったほうがいいですよね。

榎本:私も同業者から相談を受けたことがあります。事務所を移籍してみて、「報酬形態は前と同じで」って言われて、明細を見たら「桁が全然違うけど…!」って驚いて発覚したり。知り合いが音響制作するようになってから教えてもらったんですが、音響制作会社が二次使用料を丸々、中抜きしていることもあったそうです。
 

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