小島慶子「傘をなくしすぎて濡れることを選んでいた私が、“非傘”を卒業した理由」

雨の日に仕事の現場に着くと「だ、大丈夫ですか、なんかすごい濡れてますよ!」と心配されることも。
でも、水ですからそのうち乾きます。

そもそも、朝から雨が降っていても2回に1回は傘を持って出るのを忘れます。
珍しく忘れずに持って出ると、どこかに置いてきてしまいます。

歩いていると前の人が畳んだ傘を横に持っていて、先端が刺さりそうになります。
閉じた傘を腕にかけていると、歩くときに両脚の間に挟まって転びそうになります。
ちょっとかがむと傘が腕から外れてカタン!と床に倒れます。

書いていてもイライラしますが、本当にあの傘というやつは、
雨を避(よ)けてくれているとき以外は実に邪魔な存在なのです。

それですっかりこのまま生きていくつもりだったのですが、最近改心しました。
以前私のマネージャーだった女性が素敵な透明の傘を誕生日にくれたのですが、勿体無くて使っていませんでした。
それを試しに差してみたら風にも強く、持ち手の手触りも良く、とても快適だったのです。
大事なものなのでなくさないように気をつけます。
https://dot.asahi.com/aera/2023062000021.html?page=1