学芸大付属大泉小でいじめ 適切な対応せず、男児転校し不登校に
毎日新聞 2023/6/27 05:30(最終更新 6/27 05:30)
https://mainichi.jp/articles/20230626/k00/00m/040/163000c


東京学芸大付属大泉小学校(東京都練馬区)で2022年、学校側が当時5年生だった男子児童が同級生からいじめを受けていることを把握しながら適切に対応せず、男児は不登校になり、今年5月に転校を余儀なくされていたことが毎日新聞の取材で判明した。付属小は、校内アンケートで被害を繰り返し訴えられていたにもかかわらず、いじめ防止対策推進法が規定する組織的な対応を怠っていた。いじめは不登校になるまで少なくとも約10カ月間続いていた。

男児は都内の区立小に転校後、数日登校したが、ほとんどの時間をトイレにこもるなど精神的に不安定で、その後は1カ月以上、不登校の状態が続いている。

東京学芸大は「転校に至るほどの精神的苦痛を受けた」と認め、今年5月31日に同法に基づき、いじめの「重大事態」として文部科学省に報告。今後は第三者委員会を設け、事実関係などを調査する。教員養成を目的にした学芸大で教授を務めている杉森伸吉校長は、取材に「いじめ防止法の理解が徹底されず、重大事態になるのを防げなかったことは痛恨の極みだ。法に基づく対応の徹底などの対策を考えたい」と話した。

いじめを巡っては学級担任が1人で問題を抱え込み、対応が後手に回って深刻化するケースが多い。このため、同法は学校がいじめを確認した場合、複数の教職員で被害児童や保護者を継続的に支援し、保護者や学校設置者と情報を共有することを義務づけている。