「過去の詐欺被害回復」とウソ 仮想通貨1.2億円詐欺被害 大阪
https://news.yahoo.co.jp/articles/aef53d3ec18fb6f32950a2808f30e2f6d9c37712

 大阪府警は27日、府内に住む70代女性が約1億2000万円をだまし取られる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。女性は過去に詐欺被害を受けており、その被害金を回復する「被害回復給付金支給制度」を利用するには仮想通貨(暗号資産)を買う必要があるとだまされ、新たな被害に見舞われたという。

 府警特殊詐欺捜査課によると、女性は約2年前、投資名目の詐欺被害に遭っていた。2022年10月、IT業者を名乗る男から携帯電話に連絡があり「国の被害回復給付金支給制度を使って被害金を支給する」と伝えられたという。

 この制度は、詐欺などが組織犯罪として行われた場合、犯人から没収・追徴した財産を被害者に返す仕組み。被害者には検察官から通知することはあるが、業者が連絡することはない。しかし、同じ男らが女性に電話して「返金には仮想通貨を買う必要がある」と指示し、22年11月~23年2月に少なくとも8回にわたって仮想通貨を買わせ、指定された取引口座に送らせていたという。

 女性は土地を売るなどして資金を捻出していたとみられる。業者側と連絡が取れなくなり、23年3月に府警へ相談してだまされたことに気付いた。【砂押健太、木島諒子】