「蝉丸さんも喜んでいる」 大津・関蝉丸神社下社が修復完了

老朽化が著しく、修復工事を進めていた関蝉丸(せきせみまる)神社下社(しもしゃ)(大津市逢坂)の本殿で工事が完了し、30日、関係者を招いて現地で式典が行われた。インターネットなどで広く寄付を呼びかける「クラウドファンディング」(CF)などで修復費を募り、今年2月に着工。唐門の解体修理などが施され、本来の美しい姿がよみがえった。

神社は弘仁(こうにん)13(822)年創建とされる。平安時代の歌人で、琵琶の名手と伝わる蝉丸(生没年不明)を祭り、「芸能の祖神」として全国の芸能関係者らの信仰を集めてきた。

江戸時代建造の本殿や回廊、回廊入り口の唐門をはじめ、大正時代建造で参詣者が供え物をする幣殿(へいでん)などが現存。全国的にも珍しい独特の構成とされる。

しかし一時期、宮司が急逝して不在となり、台風の被害にも遭うなどして建物は荒廃。平成23年に橋本匡弘(まさひろ)宮司が就任すると、修復の取り組みを始め、2度のCF実施や個人・企業の協賛金などで計約3500万円の修復費を確保。修復工事を進めてきた。

https://www.sankei.com/article/20230630-PJS4H5PSMZISHDCQHXIHBQK4BM/

https://i.imgur.com/BY9cmbM.jpg