(中略)
近年、世の中で色々なギャル像が入り乱れる中で、二人はそれぞれ考えるイデアとしてのギャルのイメージを「IWGPのころの矢沢心」「安室ちゃん&あゆ」と宣言しました。メイクや服装は「強め」で、性格は奔放。恋愛はするし相手に振り回されることはあっても基本スタンスは「媚びてない」という当時の矢沢心、そしてさまざまなスタイルに容姿を「変身」させていくあゆ。
では一方で、安室ちゃんのギャル性とは一体どういったものだったのでしょうか。安室ちゃんは90年代の元祖コギャルとしての象徴でありながら、実はその後あゆとは全く違った形で活動を展開していきます。00年代には加藤ミリヤや西野カナといった面々もデビューし、アーティストが楽曲やファッションを通してギャル像を形成していった時代がありました。
というわけで、今回は“ギャルと歌姫”というテーマ。安室ちゃんの大ファンだという編集部Kさんも今回はヒートアップ! 夜がふける中、止まらないGAL’S TALKをお届けします。
(中略)
当時の安室ちゃんは、現行の評価はなかなかついてこず、再評価という形だった。R&B/ヒップホップのコアなリスナーはまだまだ今よりも選民思想が強かったし、そういったコミュニティからも正当に評価されていたとは言い難いと思います。でも再評価されるに至ったのは、音楽がそうやってチャート的に苦戦していた時代も、ファッションアイコンとしてはパワーを落とすことなく『vivi』とか『WOOFIN’ girl』とかに出続けていたからですよね。しかも、ギャルアイコンというよりは『sweet』とかにも出ることでもっと大きいファッションアイコンとして居続けた。このあたりは、さすがスターとしての力だと思う。
(中略)
あゆの場合は、そこから『小悪魔ageha』的なファッション、精神性にもつながっていくわけじゃないですか。冒頭でつやちゃんは安室ちゃんのファッションをヘルシーと言いましたけど、あゆはどこか影がある、言ってしまえば「病んでいる」イメージ。それがage嬢のロールモデルにもなっていったのだと思います。
(中略)
西野カナの時はモテブームがすごくて、ギャルも原宿も何もかもが「モテ系」に食い荒らされた時代がありました。『CUTiE』が西野カナを表紙にしてモテ系になって、その時私は『Zipper』編集部にいたんですけど、何とか耐えた。だから、原宿系にとってもギャル系にとっても、西野カナは何か別の勢力を運んできた人って感じがしていました。
(中略)
安室ちゃんはやっぱりリアリティを感じづらいんでしょうね。それで言うと、私はギャル史において川瀬智子がめちゃくちゃ重要なんじゃないかと思うんです。Tommyは、Tommy february6とTommy heavenly6で、派手な金髪や濃いアイメイク、猫耳、メガネコーデみたいなギャルの特徴を打ち出しながら、甘辛テイストをさらに両極端に引き延ばしていきましたよね。あれって、すごく作り込んだ世界観だったじゃないですか。Tommyは、いわゆる変身というギャルの要素を持ち合わせながら、自分の好きなことを突き詰めていくことでそこに初めてファンタジーを持ち込んだんですよ。しかもちょっと根暗なところは、その後に来るギャルとオタクの異種配合を先取っていた気もします。
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