過去のスネの傷

 訴えたのは19歳の元弟子と彼の母親。この男性は13歳で玉三郎に弟子入りしたが、直後から「添い寝の強要や、下半身を触られるなど精神的な苦痛を強いられた」として1200万円の損害賠償を求めていた。

「歌舞伎界ではつとに知られた話ですからね。玉三郎は過去のスネの傷への飛び火を恐れて、記者の取材を避けやすい大劇場からの引退を決意した可能性もある」

 どういうことか――。

「大勢の記者から猿之助に関するコメントを求められれば、過去の汚点が蒸し返されかねない。その点、いまのところ本人への直撃取材はないとか。翌6日付のスポーツ紙は“玉三郎が大劇場から引退”と大きく報じただけでしたね」

 尾上菊五郎(80)と松本白鸚(80)という大看板は体調不良で休演中。猿之助に加えて、玉三郎の“退場”は、歌舞伎界に急速な世代交代を迫っているかのようだ。

「週刊新潮」2023年6月22日号 掲載
https://news.yahoo.co.jp/articles/e49c76610bf81d2ce68e75d82c85d15f2eb7e68a?page=2