近年、時代のニーズに合ったお墓の選び方として、遺骨の管理を寺院や霊園など第三者にゆだねる「永代供養」が注目を集めています。ただ、永代供養付きの納骨堂を経営する札幌市内の宗教法人が実質的に経営破綻したように、第三者が突然管理できなくなるなどのトラブルが生じることもあります。
永代供養の注意点などについて札幌弁護士会の遠藤正大弁護士に聞きました。

■土地や墓石不要 寺院や霊園が遺骨管理
 ――永代供養とは何ですか。
 家族や親族に代わり、寺院や霊園などが遺骨の管理や供養を行うことです。核家族化が進み、単身世帯が増え、お墓を管理する後継者がいない人もいます。遠方に住んでいてなかなかお墓参りに行けない人もいるでしょう。こうした人たちに代わって、寺院や霊園が家族や親族と契約を結び、「永代供養料」などの管理費をもらって遺骨を管理、供養します。永代供養で遺骨を管理する方法はいくつかあります。
 ――どんなものがありますか。
 屋内でロッカーのような物に遺骨を納める納骨堂や、墓石の代わりに樹木を墓標とした樹木葬、主に他人の遺骨と一緒に埋葬する合祀(ごうし)の永代供養墓などがあります。
 ――永代供養の利点や欠点を教えてください。
 永代供養はお墓を置く土地や墓石の準備をする必要がないため、比較的費用を抑えられるのが利点です。また、子供や孫にお墓を管理する手間をかけさせたくないという人にも向いているでしょう。一方、一定期間がたつと合祀されるケースが多く、そうなると遺骨を取り出せなくなるので注意が必要です。

■「永代」と思っていたら ほとんどが「期限あり」
 ――永代供養ではどんなトラブルが多いですか。
 一度お金を払えば永久的に管理、供養してくれると思ったら、そうではなかったということが多いです。「永代」という言葉に引っ張られそうになりますが、10年間や33回忌までといった期限が設けられていることがほとんど。契約時にいつまで管理してくれるのか、いつ合祀されるのかなどしっかり確認しておくことが重要です。

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