「いいね」の絵文字、契約に有効 裁判所が判断、農家に賠償命令 カナダ
https://news.yahoo.co.jp/articles/61d89c0189b5eece3cd3689583bc05eff94f8f78
【ニューヨーク時事】親指を立てた「いいね」の絵文字は、契約上有効な「同意」と見なす―。
カナダ中部サスカチワン州の裁判所は6月、契約書への返答に使われた絵文字について、こう解釈し、契約を履行しなかった農家に対し、8万2200カナダドル(約880万円)の賠償金支払いを命じた。
米メディアが今月7日に報じたところによれば、発端は2021年。業者が亜麻を購入しようと21年11月までの納入を依頼する契約書を作成。新型コロナウイルス禍で対面営業を停止しており、携帯電話で契約書を撮影し「確認をお願いします」とのメッセージと共に農家に送信した。
農家は、親指を立てた絵文字で返信。業者は「契約に合意した」と理解したが、期限になっても亜麻は届かず、農家を相手取り損害賠償を求めて提訴した。
農家は「契約書を受け取ったことを確認しただけだ」と主張。絵文字の解釈を巡る法廷闘争となっていた。
これに対し裁判所は、両者が長年取引関係にあり、これまでも農家側が「OK」などと簡潔な返事を繰り返し、作物を納めてきたと指摘。「絵文字は伝統的な『署名』方法ではないが、受諾を伝えるのに有効な方法だ」と判断した。
法学者は、この訴訟結果が親指を立てた絵文字の意味を確立するわけではないとしながらも、「深刻な法的結果をもたらすことがある」と述べ、使用に際しては注意が必要だと訴えた。