MRJついに公開!「世界市場の半分を取る」

――100席以下のリージョナル機は、エンブラエル(ブラジル)とボンバルディア(カナダ)が既存の大手。さらにロシアのスホーイが新規参入し、中国のCOMAC(中国商用飛機)も機体の開発を進めています。

正直言って、ロシアや中国勢はあまり意識していないし、脅威には感じていない。また、既存の大手2社のうち、ボンバルディアはサイズが大きな100席台の市場に軸足を移しつつあり、同社が開発中の新たな機体(Cシリーズ)はMRJと直接競合しない。100席以下のリージョナル機の市場は今後、エンブラエルと三菱の一騎打ちになるだろう。

――そのエンブラエルは昨年、MRJと同じエンジンを搭載した新型機(E2シリーズ)の開発着手を発表し、すでに受注を着実に積み上げています。 

MRJへの対抗策だろう。ただし、E2は現行機をベースにして、主翼とエンジンを変えたもの。性能は今よりよくなるが、現行機をベースにしている点でどうしても制約がある。

一方、MRJはイチからの開発なので、P&W社の最新鋭エンジンの性能を最大限引き出せるような設計になっている。E2の登場で差は縮まるが、それでもMRJに燃費性能などの優位性はある。

エンブラエルにあって三菱に欠けているのは、旅客機メーカーとしての実績。「日本の三菱がMRJはすごいと言ってるが、あいつらに本当にできるのか」と、懐疑的な見方をしているエアラインもあるだろう。

そうした不安を払拭するためにも、MRJの開発プロジェクトを一歩一歩、確実に前進させていくことが非常に需要だ。たとえば、飛行試験が始まって、燃費性能の高さを実際のデータで証明できれば説得力は増す。

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