2023年07月16日 07時00分アート
画家は無意識のうちに自分自身を作品に描き込むものなのか?

「アーティストは作品に自分自身を反映する」という考えは、「模倣」を意味する「ミメーシス」という言葉から「オートミメーシス」と呼ばれます。オートミメーシスが盛んだったルネサンス芸術の具体例と合わせてオートミメーシスが現れる理由や考え方について、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で歴史学の准教授を務めるベンジャミン・ブリーン氏が解説しています。

ブリーン氏によると、オートミメーシスについて記述された最も古い文献は、14世紀フィレンツェの銀行家であり芸術の後援者でもあったコジモ・デ・メディチによる記述とのこと。その後、「Ogni dipintore dipinge se Ogni dipintore dipinge se(すべての画家は自分自身を描く)」というフレーズは、ことわざのような表現としてルネサンス期のイタリア周辺で広まっていったそうです。

また、レオナルド・ダ・ヴィンチは著作「絵画論」の中で、オートミメーシスについて論じています。ダ・ヴィンチの論では、画家が自分の芸術に自分自身を反映させる傾向は、画家が「どう見えたか」だけではなく「どのように考えたか」も作品に表れると考えているから、と示唆されていました。

https://gigazine.net/news/20230716-auto-mimesis/