――証明書の誤発行がまた起きました。

 今回問題になっているのはマイナンバーのシステムとは関係ありません。一部の自治体が使っている「証明書発行サーバー」が、ちょっとしたことでバグを生みやすいシステムになってしまっていたことです。このサーバーは、富士通の子会社「富士通Japan」製でした。

 ――政府の要請により、システムを止めて総点検を終えたばかりだったのに、なぜ誤発行が繰り返されるのですか。

 総点検に漏れがあったためです。そもそもの原因は、このシステムの中心部分を担う富士通Japanのプログラムが技術的に稚拙であるということに尽きます。自治体ごとにカスタマイズされたプログラムには多くのパターンがあり、すべてのバグを見つけきれなかったのでしょう。

 ――富士通は「申請が集中してシステムに負荷がかかったことが原因」としています。

 理解に苦しみます。負荷がかかったからファイルが出てこないというのならわかりますが、(別人の書類が発行されるような)ファイルのデータを取り違えをするようなことはあってはなりません。「総点検」と称して富士通がやったことには、本質的な点検が欠けていたのでしょう。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR7H65DXR76ULFA027.html