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普通にレイプです。1日4人連続で」風俗店に34時間待機して“性行為漬け”…20歳の貧困女子大生が直面する“ヤバい現実”
10年以上前から性風俗の世界では、女性の供給が男性の需要をはるかに超え、異常なデフレ状態となっている。価格はバブル期と比較して、1人あたりの報酬は半減、月収は6~7割減。女性はカラダを売っても、苦しい生活から逃れられない現状にあるのだ。
ここでは、過酷な境遇にある女性たちの生き様を描いた、ノンフィクションライター・中村淳彦氏の著書『 貧困女子の世界 』(宝島社文庫)より一部を抜粋してお届けする
34時間、風俗店に待機
2020年4月24日17時30分、池袋。現役女子大生・仁藤美咲さん(仮名・20歳)と待ち合わせた。仁藤さんは医療福祉系大学に通いながら、池袋でデリヘル嬢をしている。17時に店が終わり、そのまま会うことになった。
やって来た仁藤さんは黒髪、理知的、清楚な女の子だった。誰も風俗嬢とは思わない見た目で、絵に描いたような優等生という印象だ。
「〇〇大学の理学療法学科です。就職先はまだ全然決まってなくて、コロナで実習が進まないのでどうなるかわかりません。本当は4月、5月は病院で実習だったけど、中止になりました。学校が休みの今のうちに働いておこうって、3月上旬に休校になってから毎日出勤しています。これから別の地域のデリヘルに出勤で、朝までやります」
今日のスケジュールを聞くと、かなり過酷だった。
母親だけのシングル家庭で高校生の弟がいる。母親は収入が少なく、弟と団地暮らしをしている。“親が面倒を見るのは義務教育まで”という方針で、高校はランクを下げた私立高校に特待生(入学金・授業料免除)として進学し、当然大学以降は親からの給付はゼロである。在籍するのは学費の高い医療福祉系で、さらに一人暮らしをしている。医療福祉系は資格養成所なので出席は厳しく、授業や実習もたくさんある。
風俗しか選択肢がなかった
大学だけで十分忙しいなか、学費も生活費もすべて自分で稼げという環境で、稼げなかったら退学するしか選択肢がない。資格養成の大学なので資格取得できなければ、なんの意味もない、今までの投資が水の泡となる。
「高校3年のとき、大学のお金はどうしようか考えました。第一種と第二種奨学金を満額借りて18万円×12カ月で年間216万円。そのお金で学費を払って、生活費は自分で稼ごうみたいな計画でした。途中の4月と9月に授業料の支払いがあって、高校から続けていたアルバイトがあるから、なんとかなるだろうと思っていました。前のバイトは月によって違うけど、だいたい月8万円くらい。夏休みは10万円とか。年間100万円くらい稼いでいました」
年間100万円で家賃を払って生活するのは厳しかった。相対的貧困のラインに乗っているし、生活保護基準より圧倒的に低い。貯金を切り崩しながら1年半は乗り切ったが、挫折した。スマホでもっと高単価な仕事を探しているとき、風俗の求人広告が見つかった。それまで男性経験は1人だけ。とても自分ができる仕事とは思わなかった。でも、それしか選択肢がなかった。
本番強要と上から目線の説教
仁藤さんは惚れ惚れするような清楚な外見だ。かわいい。高校も大学も成績はよく、高校でも大学でも、真面目な優等生という立場なようだ。
「高校時代の貯金は100万円は超えてました。進学のこともあって趣味が貯金でしたから。500円玉の貯金をひたすらやって、大きなアミューズメント施設と池袋の焼き鳥屋さんのダブルワークをしていました。高校は私立の特待生です。だから私の家みたいな義務教育以降は自立みたいな友達は誰もいなくて、クラスでバイトしているのは私だけでした。高校のときはメチャクチャ真面目に勉強したし、成績もよかったし、メチャクチャ真面目にバイトするしって感じでした」
大学に進学すると、やはり年間200万円弱の学費が重くのしかかる。節約を心がけ、いつもお金の心配をしながら学生生活を送った。学食と自炊のどっちが安くなるかもきっちり計算した。
入学時の納入費用は親戚にお金を借り、高校時代に貯めた100万円の貯金でなんとか大学2年の春納入まで乗り切った。大学2年の夏休み、貯金はほぼ尽きた。奨学金を家賃や生活費にまわして、秋納入の55万円と実習費用がどうしても足りなくなった。
朝9時にデリヘルの待機所に出勤、17時まで勤務。今日は3人のお客がついて2万7000円になったという。そして我々の取材を受け、終わり次第、電車で30分以上かかる別の繁華街のデリヘルに出勤する。そこで朝5時まで勤務して、そのまま池袋に移動して朝9時に出勤する。移動時間を含めて34時間、風俗店に待機してお客をとるという