被告が言及した出来事のひとつは、元交際相手の結婚だ。

被告は中学3年の時、後輩の女性と交際をスタート。かつていじめを受けた経験から「自分のことを汚い存在だと思い、人と接することに臆病になっていた」だけに、女性は「大きな存在」だったという。

令和2年3月に同棲(どうせい)を始め、結婚に向けた話し合いは着々と進んでいるかにみえた。しかし、同年11月の被告の誕生日に婚約解消を切り出された。

大きなショックを受ける中、約半年後には女性が結婚したことを知る。「自分の存在価値がわからなくなり、生きていく意味がない、死にたいと思った」

ただ、被告は過去に2度自殺を図りながら失敗しており、「自殺では死ねない」との思いもあった。

ほぼ同じ時期に、もうひとつの出来事が起こる。

勤務先での顧客対応がトラブルに発展し、自宅待機処分となった末に部署異動を言い渡された。被告は退職の意向を伝えた翌日、インターネットで犯行に使用したサバイバルナイフを注文。この頃には「死刑になりたい。そのために人を殺さないといけない」と考えるようになったという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5427c6391f949773fa3d0a3f4410e2cda0a69982