2023年07月26日 20時00分ハードウェア
学校が大量に導入したChromebookがソフトウェアの更新期限切れで大量廃棄の危機に直面

現代社会におけるテクノロジーの浸透や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックなどにより、ここ数年で一気に教育現場へタブレットやノートPCなどの教育用デバイスを導入する動きが進みました。ところが、多くの教育現場で導入されているChromebookがソフトウェアアップデートの更新期限切れによる大量廃棄の危機に直面していると、北米の消費者団体である公益研究グループ(PIRG)が公開書簡で訴えています。

PIRGは、Chromebookに搭載されているGoogleのChromeOS担当ヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるジョン・ソロモン氏に宛てた公開書簡で、パンデミックによって遠隔教育の導入を迫られたさまざまな学区は、限られた予算の中でまとめて購入できる安価なノートPCを探し、その中でChromebookに目を向けたと説明しています。しかし、Chromebookにはソフトウェアの更新期限が設けられているため、サポート終了後のデバイスの脆弱(ぜいじゃく)性が高まり、試験用ウェブサイトへのアクセスなどができなくなってしまう可能性があるとのこと。

学区が使用できる予算では、最新鋭のデバイスを発売直後に購入するということは困難であり、購入するデバイスは必然的にやや古いモデルになります。Chromebookのソフトウェア更新期限は発売日に基づいたものであるため、学区がまとめてデバイスを購入し、テストを済ませて生徒に配布した時点で、すでに更新期限が間近に迫っているケースも多いそうです。オークランド統一学区のコンピューターサイエンスコーディネーターであるサム・バーグ氏は、「Chromebookは使い捨てになるよう設計されています。計画的に陳腐化させているようなものです」と指摘しています。

アメリカでは90%以上の学区が中高生に対して何らかのデジタル学習デバイスを提供しており、半数以上でChromebookを採用しているため、更新期限切れによってデバイスを買い替える予算は膨大なものとなります。もし、2020年に販売されたデバイスの寿命が2倍に延びれば、カリフォルニア州だけで学校の予算を2億2500万ドル(約320億円)、アメリカ全体で18億ドル(約2500億円)の予算を節約できると推定されています。

PIRGが挙げている「2023年の夏にソフトウェアの更新期限が設けられている13のChromebookモデル」は以下の通り。

https://gigazine.net/news/20230726-school-students-educations-chromebooks-expiring/