https://gendai.media/articles/-/98606?page=1&imp=0
「マスターベーションは禁止なんです」

そう語るのは加藤孝(59歳)。過去に12人の子どもに対して性加害を行った、小児性愛者だ。

取材に応じる加藤
現在は治療に取り組み、再犯率が高いといわれる小児性犯罪者の中で、21年間罪を重ねずに過ごすことができている。子どものいる場所に近づかないことも、治療の一環だという。

小児性愛者の半生
加藤は1962年、千葉県の比較的裕福な家庭に生まれた。子どものころ、両親は加藤に冷たく当たることが多かった。「両親は自分のことを愛していないと思っていた」という。
小・中学校ではいじめに遭い、高校から不登校に。国立大学に進学したが、学業も友人関係もうまくいかず、家にこもりがちな日々を送った。
子どもに性的に興奮することを自覚したのは、このころだった。きっかけは、近所の本屋で見つけた1冊のコミック。内容は、成人男性が少年を性虐待するものだった。一読して「これだ!」と思ったという。以降、児童の性行為が描かれたポルノコミックやビデオを見ながらマスターベーションをすることにはまっていく。
大学は8年で中退。親戚の経営する企業で働いたが長続きせず、その後はアルバイトと親の援助で食いつないだ。積極的に子どもへの性加害を行うようになるのはこの頃からだった。
「追い詰められると、何もかも投げ出して好きなことをやろうという考えが浮かぶ」
加藤にとって子どもへの加害は、うまくいかない人生での満たされない気持ちを発散する行為だった。仕事や人間関係でつまずいた時、自暴自棄になって加害に至ることが多かった。
アルバイトの家庭教師先で中学生男子の性器を触って射精させたり、通りがかった小学生男児に痴漢行為をはたらいたりした。子どもを買春するための海外旅行に出かけることもあった。30代のころには、ボランティアで介助をしていた知的障害のある男子高校生に対して凶行に及んだことさえある。