カナダ北西部の山火事、数千人が避難 空港や高速道路に長い列

カナダ北西部のノースウエスト準州の州都イエローナイフ郊外で発生した山火事で、避難命令を受けた数千人が地元の空港やイエローナイフから市外へ出る道路に押し寄せている。また、カナダ軍による緊急避難便に搭乗しようと、数百人が行列している。

地元当局はノースウエスト準州イエローナイフの住民約2万人に対し、18日正午までに避難を終えるよう指示している。

火災は、17日の時点で街から16キロの地点まで到達している。

ノースウエスト準州は約240件の山火事に対処するため、15日遅くに非常事態宣言を発令した。

同準州の消防当局は、「金曜日(18日)と土曜日(19日)の2日間は北西から西北西の風が吹く予報で、火はイエローナイフ方向に向かうことになる」との声明をフェイスブックに投稿した。

市内のガソリンスタンドや、郊外の道路に長い車列ができているとの報告がある。

イエローナイフの住民ビル・ブレイデンさんは、車が1キロも並ぶガソリンスタンドがあると家族から聞き、ガソリンを余分に持ってきたと、カナダのニュースサイト「グローバル・ニュース」に話した。

イエローナイフの南西約300キロに位置するフォート・プロヴィデンスでは、ガソリンを求める長い車列が交通に影響を及ぼしており、警察はドライバーに減速を勧告した。

他のコミュニティの家族や友人の家に避難したい人たちには、避難所が用意されているが、最も近い避難所はイエローナイフから南約1100キロの場所にある。

17日午後から夕方にかけて、カナダ軍の避難便の運行と、隣接するアルバータ州・カルガリー行きのフライトも5便予定されている。

パブロ・ロドリゲス運輸相によると、カナダ最大の航空会社エア・カナダは避難者を乗せたイエローナイフ発のフライト料金に上限を設ける方針という。

エア・カナダはイエローナイフを出発便を2便増やした。
ノースウエスト準州のシェイン・トンプソン環境相は16日、火災の状況が「さらに悪化」し、イエローナイフに「本当の脅威」をもたらしていると、記者団に述べた。

「イエローナイフの街は、今まさに危険の渦中にあるわけではない。これは強調しておきたい」としつつ、「しかし、市内に残れば、自分自身やほかの人を危険にさらすことになる」とした。

ジャスティン・トルドー首相は17日に緊急会議を開き、同準州の山火事の状況について協議した。

イエローナイフの一部に避難勧告が出されたことを受け、16日に避難を開始した住民もいる。

「航空券が売り切れたり、値段が上がるのを見て、ここを離れるべきだと思った」と、赤ちゃんを連れてエドモントンに避難したアシュリー・マクレランさんはカナダ放送協会(CBC)に話した。
https://www.bbc.com/japanese/66519964.amp

参考
1100km=東京〜博多