札幌・ススキノのホテルで恵庭市の男性(62)が殺されて首が切断され、殺人容疑で札幌市厚別区の無職田村瑠奈容疑者(29)と両親が再逮捕されてから21日で1週間。深い刺し傷や襲撃時の動画撮影など、殺害の実行役とされる瑠奈容疑者の強い殺意や異様な行動が際立つ一方、明確な動機は依然不明だ。
父親の医師田村修容疑者(59)、母親のパート従業員田村浩子容疑者(60)は引きこもりがちだった瑠奈容疑者の行動を支え続けてきており、札幌中央署の捜査本部は両親の関与を含め事件の全容解明を急いでいる。
「こんな事件を起こすような母娘には見えなかった」。2017年に札幌市内のアクセサリー教室で瑠奈容疑者を指導していた江別市の女性(75)は驚く。
浩子容疑者は同年、複数のアクセサリー教室に瑠奈容疑者を通わせ始めた。人形作りが趣味の同容疑者は教室でペンダントや指輪を熱心に作っていた。「外の世界を学ばせたい」。浩子容疑者はそう話し、精神的に不安定になることがあり、引きこもりがちな瑠奈容疑者の外出を後押ししていた。だが、いずれの教室も長続きしなかったという。
別の教室の40代男性講師は特異な印象も抱いたという。瑠奈容疑者は「外を歩くのも怖い。転んでけがをしたり、誰かにけがをさせそうで怖い」と話していた。浩子容疑者は男性に対し「私たちがいなくなった後が心配だ」と漏らし、一人娘の将来を案じていた。
事件が起きたのはそれから6年後。瑠奈容疑者は今年に入り、外出する機会が増えた。5月下旬、ススキノのダンスクラブで男性と知り合ってホテルに行き、客室内の出来事でトラブルになったという。
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