◆汚染水の浄化処理で発生
 逼迫している保管容器は「HIC」と呼ばれるポリエチレン製の容器で、トリチウム以外の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS)」での浄化処理で発生する汚泥を収納する。HICは敷地南側の置き場で、コンクリートの箱の中に入れて保管。6日時点で4057基あり、容量の97%に上る。
 現状の運用のままでは、来年4月ごろに置き場が満杯になり、ALPSの汚染水処理ができなくなる。東電はもともと来年5月までに現在の置き場に192基分を追加する予定だった。さらに今回、192基分を増やすことにした。
 東電は保管中のHICを減らすため、汚泥の水分を抜いて固形物にする設備を計画し、2025年3月の運用開始を目指す。しかし、規制委は作業員の被ばく防止対策などについての設計が不適切と指摘。設備を稼働できない場合、新たな増設分を含めても25年6月に置き場が満杯になり、計画中のHICの発生抑制策が効果を上げても27年6月には満杯になる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/210559