異常なこだわりで面倒なのに価格は安い…海外の木材メーカーが日本向け輸出を嫌がるようになった理由(プレジデントオンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ab3182c9694e7ae29443e7a865c5d80c96c9f99

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これまでは世界中に張り巡らされた調達網を使えば、必要な量だけを安価に購入できた。ただ森林大国であるはずの日本は、米国の新規住宅増に影響を受けるほどの脆(もろ)さを露呈した。

ところで、日本側に落ち度はなかったのか。日本各社は必死に調達しようとしていた。しかしさまざまな困難に直面した。理由は日本側の要求品質の高さだ。仕上がりの注文が細かい。それはJQ(Japan Quality)と呼ばれる。

たとえば木材のそり・曲がりの許容度は他国より厳しく、さらに面積における節の比率は低く抑えられている。外国の製材メーカーは日本の住宅メーカー向けに特別な検査工程や別工程を用意せざるをえなかった。さらに日本の住宅メーカー向けのものは不良品となる率も高い。かつて日本の新設住宅着工戸数は順調に推移していたし、正規品ではないと弾かれる不良品があっても、外国の製材メーカーは許容していた。日本側が重要顧客だったからだ。

日本の住宅メーカーへ販売する単価はさほど高くなかったものの絶対量が確保できていたためだ。しかし、さきに挙げた通り、とくに2021年に米国などを中心とした建設需要の急増から潮目が変わった。欧米はインフレとともに、労働者の給与増が続く。日本が要求するほどには木材の品質が高くなくて良い。

しかも高く買ってくれる。ゆえに日本向けに生産するインセンティブはない。

住宅メーカーの幹部に聞いた。

「これは木材に限りませんけどね、とにかく日本向けは面倒くさい。外国だったら信じられないレベルの要求をする。他の国に次々に売れていくのに、日本だけに特別な対応はしませんよって。人材もかけられないよ、と。高額のオプション価格を上乗せして払わないと出荷できません、と。さらに、国内の商社からは日時や量を細かく指定した搬入指示も厳しいですよ、とクレームが来ました」

(後略