利用の低迷で10年前に閉鎖した大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(住之江区)について、閉鎖後に市が負担した維持費が7000万円に上ることがわかった。海に浮かぶ建物の構造上、地下に流れ込む海水をポンプで排水する必要があり、電気代がかさむという。無人の建物に多額の維持費をかけている状況を解消しようと、市は9月に活用する事業者を探すための3回目の公募を行う。(三歩一真希)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230828-OYT1T50155/
しかし、年間の来館者は当初見込みの6分の1程度の10万人前後に低迷。累計30億円超の赤字を出し、13年3月に閉館した。市は施設の撤去も視野に入れていたが、菱垣廻船を外に運び出すのに5億円以上、船を解体するにしても数千万円の経費が必要なことなどを考慮し、撤去はせず、民間事業者に活用してもらう道を探ることになった。菱垣廻船や江戸時代の大阪湾が描かれた絵などの資料約9000点の多くは建物内に残されたままだ。