https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230821/k10014169481000.html

米軍横田基地周辺の住民 飛行訓練差し止め求めた裁判始まる

東京にあるアメリカ軍横田基地周辺の住民230人余りが航空機の騒音で被害を受けているとして、国に対し、輸送機「オスプレイ」の飛行訓練の差し止めや損害賠償を求めた裁判が東京地方裁判所立川支部で始まりました。

アメリカ軍横田基地周辺の、東京 昭島市や瑞穂町などの住民236人は基地に配備されている航空機の騒音で被害を受けているとして、国に対し
▽オスプレイの低空飛行訓練や
▽すべての航空機の午後7時から午前8時までの飛行の差し止め、それに
▽過去3年間に加え、今後騒音がなくなるまでの間の損害賠償などを求めています。

21日、東京地方裁判所立川支部で裁判が始まり、住民側は「騒音は深夜時間帯において何度も頻繁に発生し、騒音のレベルも環境基準を大幅に超え、改善する見込みが全くない」などと訴えました。

一方、国側は答弁書で請求の棄却などを求めて争う姿勢を示しました。

これまで横田基地周辺の住民が騒音被害をめぐって訴えた裁判では、おととし国に対してあわせて1億1200万円余りの賠償を命じる判決が確定した一方、軍用機の飛行の差し止めなどの訴えは退けられ、去年6月には別の住民グループもオスプレイの飛行差し止めなどを求める訴えを起こしています。

裁判のあと弁護団代表の佐竹俊之弁護士は記者会見で「今後の裁判では一つ一つ論点を潰しながら事実関係を積み重ねて主張し、住民が騒音に苦しむ実態を裁判官に知ってもらうことが大事だ」と話していました。