60年近く続く喫茶店、最近の「食べない客」に困惑 残していく理由に「食べ物粗末にしたらダメ」「悲しい」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/92df2bd510132d4c6f1ade34af4d5512b0bf01e5



――その時の気持ちは?

「食材は、店主と私が試食をして両方が美味しいと思ったものだけを使用しています。ですので、手がついていない食材や少しずつかじった状態の食材を廃棄しないといけないときほど辛いことはありません。最初に生産者さんの顔が思い浮かびますし、食材に携わる方々に申し訳ない気持ちでお店として責任を感じます。

当日は、店主がホール担当で、店主が食器を下げる時にほとんど手つかずのフルーツポンチをみてショックを受けていました。私が調理を担当していたのですが、味に問題があったのか果物の品質などをチェックしましたが、果物が傷んでいるなどの問題はありませんでした。いつもは空になって調理場に戻ってくるポンチグラスに、マスクメロンも手つかずの状態で、ほとんどの果物とソーダ水が残されていたので、何がいけなかったのか悩みました」

――お店として何か対応される予定はありますか。

「お店は店主と私の2名しかいないため、初めていらっしゃったお客さまが食べずに残された場合は、会計終了後に食器を下げる時に気づくことがほとんどです。そのため、再訪された時に注文時に食べられるかどうかを確認いたします。9月から新メニューになるのですが、お店からのお知らせとして『苦手な食材がありましたら事前にお知らせください』という一文を追加します」

――最後に、お店として伝えたい思いを。

「店主と私は『一期一会』を大切に、一生に一度の出会いかもしれないことを念頭に置いて、日々料理を作り、珈琲を淹れ、花を飾り、内装を整え、掃除をしてお客様をお迎えしております。食材は、生産者、販売業者、輸送業者さんの努力で初めて手に入れることができるものであり、食材を無駄にせず調理し、お客さまに喜んでいただける料理を作ることを常々意識しております。ですので、写真・動画撮影だけをしてお帰りになるのは控えてください。苦手な食材やアレルギーなどが事前にお知らせいただければ、できる限りの対応をいたします。ぜひ、召し上がっていただければ幸いです」