「ご注文後にお食事の写真撮影をされた後、食べずにお帰りになるのは、控えてください」。喫茶店の切なる願いに大きな反響があり、状況について取材しました。
【写真】撮影だけして食べられなかったという、フルーツポンチ
X(旧Twitter)で投稿したのは喫茶店「日本橋 COFFEE LOTUS」(@lotuscoffee1966、以下、COFFEE LOTUS)。1966年に東京・日本橋で営業を始めた老舗です。どうやらフードを注文したものの、写真を撮るだけで手を付けずに帰ったお客さんがいるようです。
さらに、「メニューには出来る限り内容を明記しております。事前に苦手な食材をお知らせいただければ、可能な限り対応いたしますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。」という言葉も添えられ、お店側も配慮するのでできるだけ食べてほしいという思いがうかがえます。
「食べ物は撮影用アイテムじゃないよ。食べ物だよ。お店にも失礼すぎ。信じられない」「こういう人達は店側の方々の気持ちなんて考えた事も無いだろうな。もしくは宣伝してやってるぐらいの傲慢な考えかも…」
「食べ物粗末にしたらダメ!」
「こんなこと言わないといけないのが悲しい」
投稿には、お店に対する共感が多数寄せられていました。
また、料理に携わる人たちも、「ひどい…。お金払えばいいってもんじゃないよ。食べる要員が必要なら呼んでほしい」「食品ロスが増えるからてのもあるけど、何より食べものをつくるのに関わった人たちの労力や想いを考えると、こうした行いは哀しくなる」とコメントを寄せています。件(くだん)の投稿を引用する人も多く、お店のメッセージを広く届けたいという意思が感じられました。
「COFFEE LOTUS」店長の荒地(あらち)陽子さんにお話をお伺いし、状況を聞かせてもらうなかで、深い悲しみや提供するデザートメニューに込められた思いが伝わってきました。荒地さんは思わぬ反響の大きさに驚きながらも語ってくれました。
残されたメニューを見て…「何がいけなかったのか悩みました」
――「出された食事を撮影だけして手をつけずに残す」といったことは過去にもあったのですか。
「今回が初めてです。フルーツポンチをご注文いただきました。フルーツポンチは、カットしたマスクメロン(必ずついています)、飾り切りしたリンゴ、キウイ、ブドウ、オレンジ、スイカ、グレープフルーツ、バナナ、梨、柿、いちご(仕入れ状況で中身は変化します)など、季節の果物をカットしてポンチグラスにいれ、最後にソーダ水で仕上げています。お客さまはポンチグラスの角度を変えたり、座る位置を変えて撮影した後、会計を済ませてお帰りになりました。
過去には、トーストやサンドイッチについてくるフレッシュフルーツの盛り合わせ(5〜7種類の果物をカットして器に盛り付けたもの)が手つかずだったり、サンドイッチやトースト(手で食べやすく6〜8等分にカットしています)を少しずつかじって終了、ということも何度かありました。昨年6月以降から今回までで、ほとんど手をつけてもらえないことが数回ありました」
――そういったことが起こる時、提供するメニューや注文する人の属性(性別年齢など)に何か共通点はありましたか。
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「性別は男女同じくらいで、年齢幅は広いです。今回のフルーツポンチが1回、トーストとサンドイッチについてくるフレッシュフルーツの盛り合わせが数回(当店では、トーストとサンドイッチに季節のフレッシュフルーツを入れた小鉢がついてきます)。一度、瓶ビールをご注文いただいた男性から、まだ残っているからお店で飲んでくれと言われたこともあります」https://news.livedoor.com/article/detail/24885036/