米士官学校で200年前に埋められた「謎の箱」を発見 大々的にふたを開けたが……(BBC News)
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アメリカの有名な陸軍士官学校ウェストポイントで28日、職員と学生らが「歴史的瞬間」のために集まった。数カ月前にキャンパス内の記念碑の台座部分から1820年代の「タイムカプセル」が発見され、それを開けたのだった。

このイベントはライブストリーム配信された。士官学校の歴史家ジェニファー・ヴォイツチャイルド氏が「ウェストポイントの歴史の一部を文字通り暴いてみよう」と観客の期待を誘った。士官候補生らは、米国旗だ、ブーツだ、いや卒業記念指輪だなどと、200年近く前の鉛の箱の中にある物を予想した。

しかし、入っていたのは……泥だった。

この30分前から、講堂は士官候補生で埋め尽くされた。ステージ上にはウェストポイントの幹部たちも並び、興奮の瞬間を待った。

ステージ中央には、一辺が約30センチメートルの灰色の立方体が置かれていた。その脇では、紫色のゴム手袋と白いマスクを着けた職員2人が、箱を開ける準備を整えていた。

箱は数カ月前、戦争の英雄タデウス・コシチュシュコの銅像を撤去する際に発見された。大理石の表面の下にあったもので、1829年の銅像完成の際に埋められたとみられている。

「これは人工的な埋蔵物、今でいうタイムカプセルで、1829年にこの記念碑が完成したときに埋められたと思われる」。ステージでヴォイツチャイルド氏はそう説明した。

しかし、それは憶測に過ぎないと、ヴォイツチャイルド氏は述べた。ウェストポイントの研究者たちは、銅像の台座の中に箱やタイムカプセルなどが埋め込まれたという記録を目にしたことがなかったからだ。

箱は鉛製だったため、X線で調べても、内部の「異様な状態」しか確認できなかった。何かがあるのはわかったが、それが何なのかはわからなかった。

いよいよ箱が開けられる瞬間を迎えると、講堂は静まり返った。金属の工具で、ふたが慎重にこじ開けられた。ライブストリーミングのカメラがズームで、苦心の作業を伝えた。ふたが無事に開けられると、職員が小さな懐中電灯を手に、箱の中身を調べた。

しかし、何も見つからなかった。

「土なのか、泥なのか、ほこりなのかわからない」。職員はそう言うと、「期待に応えるような箱ではなかった」と付け加えた。

それでも、ウェストポイントの先輩たちが何世紀も後に発見されるために土の箱を残したわけではないだろうという希望から、泥は今後、慎重に分析される予定だ。

泥が見つかった後、ヴォイツチャイルド氏は、「観客の中には、ステージ上の専門家たちに質問したい人もきっといるだろう」と呼びかけた。

だが、誰からも質問は出なかった。

(英語記事 Mysterious military time capsule contents revealed)