ロシア軍に対するウクライナ軍の反攻で、ウクライナ軍が奪還を目指す南部ザポロジエ州の主要都市メリトポリのフェドロフ市長=ウクライナ側地域に退避中=は29日、メリトポリの北方に位置する交通の要衝トクマクから「露占領当局者らが脱出を始めた」と交流サイト(SNS)で報告した。地元住民から提供された情報だとしている。

ウクライナ国防省はこれに先立つ28日、トクマク北方の集落ロボティネの奪還を発表。次の目標はメリトポリへの進出ルート上にあるトクマクの奪還だとみられている。
露当局者の退避が事実であれば、ウクライナ軍の前進に対するロシアの危機感が示された形だ。トクマクは鉄道交通の拠点で、ウクライナ軍が奪還に成功した場合、露軍の補給が乱れる可能性がある。

フェドロフ氏は、ロボティネの奪還により「トクマクは〝前線付近の都市〟から完全に〝前線の都市〟になった」と指摘した。

ザポロジエ州の北部を確保しているウクライナ軍は、メリトポリ方面に南下し、露軍の支配下にあるアゾフ海沿岸の「陸の回廊」を分断することで露軍の補給路を断ち、南部一帯の奪還につなげる戦略を描いている。

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