処理水放出1週間 卸売市場で変わらぬ取り引き 高値の落札も
2023年8月31日 14時18分

※略※

埼玉 激励や謝罪の声を寄せる中国人も

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出をめぐって中国からとみられる国際電話による嫌がらせが各地で相次いでいる問題で、埼玉県春日部市の飲食店では、嫌がらせの一方で日本への好意を伝える声も寄せられています。

埼玉県春日部市のラーメン店「会津ラーメン和」では、処理水の放出に関する報道があった今月19日ごろから中国の国番号「86」から始まる国際電話がかかりだし、これまでおよそ150件の着信があったということです。

電話はいきなり罵声を浴びせるなどの内容で、昼夜問わずかかってきたことから店主の西條剛さんは店のSNSなどで状況を訴えました。

すると、激励のメッセージが相次ぎ、中には中国から「すべての中国人がそうではない」とか、「日本が大好きだ」などのメッセージが電話やダイレクトメールで数件寄せられたということです。

また29日は、中国人だという若い男性が来店し食事をしたあと「中国人がご迷惑をおかけし、申し訳ない」と西條さんに声をかけてきたということです。

店主の西條さんは、「嫌がらせの電話には困惑したが回数は減ってきていてこうやって激励や謝罪の声を寄せてくれる中国の方もいます。今回のことで日本人も中国人に対する偏見を抱くべきではないと感じました」と話しています。

福島 郡山 意見交換会で放出中止求める声相次ぐ

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出について、30日夜、福島県郡山市で地元の住民グループが国と東京電力との意見交換会を開き、住民からは「理解が十分得られていない」として放出を中止すべきだという意見が相次ぎました。

意見交換会は、住民グループの求めに応じて30日夜、郡山市の施設で開かれ、およそ150人が参加しました。

はじめに、国と東京電力の担当者が、処理水は放射性物質の濃度が基準を下回るように薄めてから放出していることや、原発周辺の海水のモニタリングを継続して行っていることなどを説明しました。

参加した住民からは、「環境中に放射性物質を出すこと自体が間違いで、市民に寄り添った結論の出し方がなされていない」などと、放出計画についての理解を醸成する取り組みが不十分だとする意見が出ました。

これに対し、国の担当者は、漁業関係者などさまざまな団体に説明を繰り返してきたとして、「処分の必要性や安全性には一定の理解を得られたと考えている」と答えました。

しかし、住民からは「一定の理解では納得できない」などとして、放出を中止すべきだという意見が相次ぎました。

主催した住民グループによりますと、意見交換会はことし6月から求めていましたが処理水を放出したあとの開催になったということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230831/k10014179531000.html