30歳目前のフリーター画家から独学で人気ゲーム「FF」アートディレクターへ…上國料勇さん、作画への思い語る

世界的な人気ゲーム「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズでアートディレクターを務めた鹿児島市出身のイラストレーター、画家の上國料勇さん(53)が鹿児島で開かれた第47回全国高校総合文化祭の関連で講演した。全国の生徒らを前に、FFコンセプトアートやアナログの重要性などを語った。一部を紹介する。
■アルバイトから
大学卒業後、フリーターをしながらずっと油絵を描いていたが、いろいろ悩んで気持ちの挫折や迷いがあった。ゲームとかアニメとかすごく好きだったんで、そっちで勝負してみようと思ったのが30歳手前。未経験でも飛び込んでみたくなった。
高いお金を出してパソコンを買って、独学でキャラクターなどをいろいろ描いた。でもそういうのは現場に早く出ないとどうしようもない。
ポートフォリオ(自分の実績や能力を伝える資料)をまとめて会社を回ったら、大ヒットロールプレーイングゲーム「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズを作る「スクウェア(現スクウェア・エニックス)という会社にアルバイトで入ることができた。
(その後、「FF10」=2001年発売=の世界観を端的に示すコンセプトアート担当に抜てきされた)
コンセプトアートは、1枚の絵を見れば、この後、4、5年かけて作る作品が理解できるような、たくさんの情報量が入っていて、設計図みたいなもの。テーマとかモチーフを設定するのが大事。大勢がかかわる仕事は、指針がないとどうやって物事を進めていいか分からなくな 架空の世界だけど、現実のいろいろなものを混ぜて、最終的にはありそうだけど、どこにもない世界をつくる。作品ごとに世界中をロケハンしていく。要は準備が大事。遠足とかもそうだけど準備が一番楽しい。
(FFの4作品に携わった後、2017年にフリーに)
最初、京都のお寺(大徳寺)のふすま絵を頼まれた。それまでずっとデジタルでゲームを作ってたのに、自分でも不思議だった。ゲームの世界を作ってデザインをする経験や考え方や技術が、形になって面白かった。

https://373news.com/_news/storyid/180730/