被告は京アニの小説コンクール「京アニ大賞」に応募した2作品の落選後、ほぼ同じ内容の小説を小説投稿サイトで公開したが、「海の一滴みたいな形。作品自体見てもらえない」と述べ、退会したと明かした。
閲覧者数を示すPV(ページビュー)は「0」だったという。

被告の刑事責任能力の有無や程度が最大の争点。検察側は、被告が同賞で落選したことを機に「アイデアを盗用された」と思い込むようになり、「筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)」を決意したと主張している。

被告は平成28年、京アニ大賞に自身が執筆した「仲野智美の事件簿」「リアリスティックウェポン」の2作品を応募したものの落選。その後、「同人活動をしようと考え」(被告)、京アニ大賞に応募した作品のラストシーンを変更するなどし、小説投稿サイトで公開したという。

一方、サイト上で誰かが作品を閲覧した形跡はみられず、サイトを退会したと明かした被告。「(作品を)見てもらえなかった。へこんだことが退会の理由の一つ」などと語った。

事件を巡り、被告は初公判で起訴内容を認めた。その上で弁護側は事件当時、被告は精神障害の影響で心神喪失や耗弱の状態だったとして無罪や刑の減軽を求めた。

https://www.sankei.com/article/20230913-LDIF6BNI5VLXDEKMONLSJS4N7U/